2023年10月30日に東京新聞が現代のクラシック音楽を一面で取り上げたんだ。これはちょっとみんなに知ってもらいたいと思って、記事を書いてみたよ。それはただのニュースじゃないんだ。これは、音楽が単なる芸術を超えて、社会に深い意味を持つってことを認めた事件なんだよ。音楽って、人の心を動かす力があるから、ダムの底に沈んでしまった徳山村の記憶を音に込めることもできるんだ。それを大きく報じることで、新聞は音楽が持つ力、文化や歴史を継承するっていう役割を世に問いかけているんだよ。(画像をクリックすると、東京新聞の記事に飛べるよ!)
近藤さんのピアノソナタ「徳山村の記録」という作品は、村の記憶を永遠に残すために作曲されたんだね。音楽を通じて、消えた村とそこに息づいた人々の生活、自然との調和、そして失われた文化が、新しい命を吹き込まれる。これぞ、クラシックの現代音楽が社会に訴えかける力という感じだね! 記事の杉浦さんの言葉に「八百万の神を感じさせる神々しさ」がある曲だそうで、ドイツ風でもフランス風でも現代風でもない「日本のピアノソナタの傑作を!」という意気込みで作曲された曲なんだって!
「日本のクラシック音楽」を生み出す気概と自然へのまなざし:山の作曲家・近藤浩平さんの作品を紹介!
作曲者の近藤浩平さんについて紹介するね! 近藤さんは兵庫県宝塚生まれ、在住の作曲家でその作品は、館野泉さん、福間洸太郎さんはじめ国内外で広く演奏されているんだ。YouTubeでも沢山演奏を聴くことができるよ! 近藤さんは登山が趣味とのことなんだけど、「山の作曲家」と自ら称しているんだ。作品も自然をテーマにした作品が多い。僕が特に注目した作品を紹介するね。
- 代表作「海辺の祈り」
まずは東日本大震災の追悼曲として書かれた「海辺の祈り」。この作品は様々な編成に編曲されて、たくさんの演奏家によって演奏されているけれど、「左手のピアノ」バージョンは特に演奏頻度が高い。人気ピアニストの福間洸太郎さんの演奏をまずは聴いてほしい。その静謐な響きが、他の「震災追悼曲」とは一線を画しているよ。
- 注目すべき快作「マリンバ協奏曲」!
もう一つ、僕が注目したのが今年初演されたばかりの「マリンバ協奏曲」だ。「アオバトの森」っていう副題がついているけれど、クエンカというアフリカの民族楽器のユニークな音色が、ユーモラスかつ不気味に響いて深い森で「アオバト」の鳴き声が響く効果を演出しているんだ。独特のリズム感が「関西のオヤジ」らしい、国際的なのか土着的なのかよくわからないノリを醸成するんだけど、思わず引き込まれてしまう。日本から独自のクラシック音楽を生み出すという作曲者の強い意志が伝わってくるね。近藤さんはキャリアからして、その経歴などから大物作曲家に引き立てられたり、国際コンクールなどで評価されて作曲界に君臨するといったキャリアではなくて、国内外のプロやアマチュアの音楽家に見出されてじわじわっと存在感を高めてきている作曲家なのではないかと思うよ。これは「クラシック音楽の文化」を考えるうえでとても大切なことじゃないかな。演奏の雰囲気からも、この曲が演奏家たちに愛されているのがよくわかるよ。大森さんのマリンバも、アマービレフィルの演奏にもブラボーを送りたいな。
邦人作品、子供のためのピアノ曲、バッハと多彩な取り組みが光る!ピアニスト・杉浦菜々子さん
それから、演奏する杉浦菜々子さんも紹介するね。杉浦さんは「邦人作品」や子供のための小品を数多く世に紹介してきたピアニストで、まさに今回の「八百万の神を感じさせる日本を代表するピアノソナタへのチャレンジ」に相応しい演奏家だと言える
- フランスものも大得意!
邦人作品の専門家というイメージがある杉浦さんだけど、実はフランスものもドイツものもとても得意で、フランスバロックやセブラックをまとめたとても素敵なアルバムがあるんだよ!
- バッハのリュート作品をピアノで、とさすがの目の付け所
また、バッハとヴァイスのリュート作品をカヴァーしたアルバムもリリースしていて、こちらも『レコード芸術』準特選盤に選ばれたり、ナクソスの再生ランキングで一位になったりと注目すべき活動で目が離せないよ。バッハのリュート作品はギターやリュートではお馴染みなんだけれど、実はリュートの弦を貼ったチェンバロのための作品として作曲されていたという一面があってピアノで演奏された例は少ないんだ。リヒテルに名演が一つあるんだけれど、僕は杉浦さんの演奏のほうがバランス感覚が良くてセンスが大好きなんだ。みんなも聴いてみて!
演奏会の詳細~日本のクラシック音楽を創る熱いメッセージ~
まだ多少だけど、席があるらしいよ!
初演は12月3日午後3時から、東京都品川区上大崎の「目黒・芸術家の家スタジオ」で。入場料は一般3千円、学生千円。他にもドビュッシーの「喜びの島」や山田耕筰の「ポエム」など、近代のフランスと日本のピアノ曲を取り上げるんだ。杉浦さんならではの選曲がさすがだね!
問い合わせは、主催する「湘南クラシック音楽を愛する会」の藤本辰也さん=電090(3695)5450、メールshonan.classic@gmail.com=へ。」
だからこれは、ただの新聞記事じゃなくて、文化と記憶を繋ぎ止めるための熱いメッセージなんだ。主催の「湘南クラシック音楽を愛する会」も、調べるとプロアマの垣根を超える左手のフェスティバルを開催したり、近代日本の作曲家・箕作周吉のご遺族と再発見の企画を実現したりと、問題意識がすごい。こういう草分け的なクラシック音楽に対する情熱を感じる熱いイベントは損得ではできないよ。演奏会が楽しみだね!
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