危険な熊がもたらす音楽の刺激:熊とクラシック

音楽コラム

こんにちは! 音風ソナタだよ。今日は最近、人里に出没して世間をにぎわせている「熊」とクラシック音楽との関わりについて、語ってみるよ。

「熊」は大道芸の定番だった!? ~熊使いと音楽

熊は人間にとって本当に危険な存在だけど、それだけじゃないよ。熊は人間に自然への畏敬の念を与え続けてきた特別な存在なんだ。特に「熊と音楽」というテーマは、音楽史と文化的伝統の面白い交差点を示しているよね。特に熊使いに関連する音楽や大道芸の伝統は、世界各地で異なる形をとっているんだ。

熊使いとは、クマを用いる大道芸、つまりクマに芸をさせる人のこと。この伝統は南アジアから中東、欧州、ロシアに広がっているんだ。特に「熊踊り」と呼ばれるものは、音楽に合わせてクマが踊る様子を指すんだよ。インドでは、ナマケグマを使って、熊使いが歌を歌いながらロープと棒でクマを操り、踊るように見せる芸が行われていた。だけど、野生のクマが減少したために、今はあまり見かけなくなったんだ。

欧州やロシアでは、ヒグマを使って音楽に合わせて踊る大道芸が行われていた。ロシアでは、17世紀まではスコモローフという芸人が熊使いをしていたんだって。20世紀になると、サーカスの隆盛により大道芸は廃れ、今はほとんど見られなくなったんだ。

ストラヴィンスキーやバルトークなどの近代の大作曲家も「熊好き」だった⁉

音楽の世界では、熊使いや熊踊りは様々な作品にインスピレーションを与えてきたんだ。例えば、ロシアのイーゴリ・ストラビンスキー(1882-1971)のバレエ音楽「ペトルーシュカ」には熊使いが登場するし、ハンガリーの作曲家ベーラ・バルトーク(1881-1945)の「ハンガリーの風景」やピアノ独奏曲ソナチネにも、「熊踊り」という楽章があるんだ。また、ルーマニアのジプシーバンド「タラフ・ドゥ・ハイドゥークス」の「ウルサリのホラ」は、“熊遣いのロマの輪舞”というサブタイトルがついているんだよ。

これらの音楽作品や伝統的な芸は、熊と人間との関わり合いや、音楽が文化や歴史の中でどのように機能するかを示しているね。熊が人間社会の一部としてどのように見られ、表現されてきたかを考えると、とても興味深いよ。

ハイドンの交響曲第82番が「熊」という愛称を持つワケ

それからね、ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)の交響曲第82番が「熊」という愛称で呼ばれるようになった理由、それはちょっとユニークだよ。この愛称はハイドン自身によるものではなく、第4楽章の出だし部分の特徴的な低音の繰り返しに由来するんだ。この低音パッセージが、熊が歩いている様子や、「熊使い」の音楽に似ているとされているんだって。なんだか、熊がのっそり歩いているような唸り声を思わせるような音楽なんだろうね​​​​​​。

この曲は、全体的に力強くて攻撃的な雰囲気があるらしいよ。第1楽章は序奏なしで始まるし、力強い第1主題が登場するんだ。それに続いてリズミカルで祝祭的な部分があるんだって。こうした要素が、結局はその愛称「熊」にぴったり合っているんだね​。シューマンにも同様の着想で作曲されたピアノ小品があるんだ。

「熊」をテーマにしたロマン派の知られざる名作

イギリスの作曲家のエドワード・エルガー(1857-1934)の「子供の魔法の杖」第2組曲に含まれる「野生の熊たち」と、ノルウェーの作曲家ヨハン・ハルウォルセン(1864-1935)の「熊に乗る王女」という曲、どちらもとても魅力的な作品だよ。

まず、エルガーの「子供の魔法の杖」第2組曲の「野生の熊たち」は、1908年に完成された組曲の一部だよ。この組曲は、エルガーが友人であるウスター市長のヒューバート・A・レスターに捧げたもの。第2組曲には他にも「行進曲」や「小さい鐘(スケルツィーノ)」などが含まれているんだ。エルガーらしい洗練された旋律と華やかなオーケストレーションが特徴的だと思うよ。

一方で、ノルウェーの作曲家ハルウォルセンが書いた「熊に乗る王女」は、まるでおとぎ話のような題名を持つ曲だね。これはハルウォルセンの代表作の一つで、彼の音楽が持つロマンティックでメロディアスな魅力が感じられる作品だよ。ハルウォルセンは、ノルウェーの民俗音楽の要素を取り入れた曲を多く作曲していて、その音楽は北欧の自然や伝説に根ざした深い感覚を持っているんだ。

「熊に乗る王女」は、熊に乗った王女の物語を描いた曲で、おそらくノルウェーの民話や神話に触発されたものだろうね。この曲では、熊の力強さや優雅さ、そして王女の冒険心が音楽を通して表現されているんだ。ハルウォルセンの作品は、その美しい旋律と情緒的な表現で多くの人々を魅了しているよ。

これらの曲は、熊という動物が音楽にどのような影響を与え、作曲家たちの創造性を刺激してきたかを示しているんだ。それぞれ異なるスタイルと背景を持つこれらの作品を聴いてみると、熊が音楽に与えたインスピレーションの幅広さがよくわかるよ。

あと、日本の現代作曲家の川上統さんに「グリズリー」っていう6本のチェロのための作品があって、僕がすごく好きな作品なんだけど、残念ながら動画がなかったんだ。これもみんなが聴けるようになるといいな!

熊は人間との共生という点で難しい存在だけど、人間に深い印象を与えて自然への畏敬の念を与えてきた存在なんだね。これからも、音楽家が熊をテーマに素晴らしい作品を書いて演奏してくれるといいな! でも、熊は危険な存在であることは確かだから、十二分に注意してね。それじゃあ、またね!

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